福岡のレコード店主がビーチ・ボーイズについて語る

もちろん初期のビーチ・ボーイズが大好きだが、
「ペット・サウンズ」だけでなく「フレンズ」や「サンフラワー」など秀作があります。
1970年代始めに発売された同じ西海岸のイーグルスのレコードを聞くと、
勢いと斬新さ、ビーチ・ボーイズ・フリークの私であっても、
イーグルスの出来の良さに軍配を上げます。
これマニアの落とし穴で、好きになると無理して駄作も聞いてしまいます。
さらに70年代も進んだ頃のレコード「カール&パッションズ?ソー・タフ」、
1980年代の「The BEACH BOYS」より、
クロスビー・スティルス,ナッシュ&ヤングの「デジャ・ヴー」の方がレベルは高い。
しかし私も含めマニアなの落とし穴は、駄作だったとしても、
「カール&パッションズ」を何度も聞いてしまいます。
段々と愛着が湧いきます。
しかし、今、聞いている「カール&パッションズ」。
なかなか引っ掛かる曲が見つからない。
良い曲レベルを保つのはブライアン・ウィルソン作曲の「Marcella」。
カールが呼んだ黒人二人を加えたファンキーな要素が裏目に出ており、
オーバー・プロデュースに聞こえてしまう。
次の曲「Hold On Dear Brother」ではブロンディ・チャップリンが頑張って歌ってる。
ただブロンディがメインでビーチ・ボーイズと言えるかどうか。
コーラスは一応ビーチ・ボーイズ感を保っている。

持っていないレコードがあった
他のビーチ・ボーイズのレコードを見ていたら、
4枚持っていないことが気づいた。
「M.I.U. アルバム」
「 L.A. (ライト・アルバム) 」
「キーピン・ザ・サマー・アライヴ」
「スティル・クルージン」
この辺の1970年代後半から1980年代初期のレコードは
福岡の店舗では見つからないし、買取も少ない。
「15・ビッグ・ワンズ」は意外に良い(ブライアン復帰の記念盤で福岡でも買取が多い) 。
先に挙げた「カール・アンド・ザ・パッションズ」と違い、無理に時代に合わせておらず、
今風なロックに擦り寄らず、オールディーズに開き直ったところが吉と出た。
合間合間に意外に知られていないきれいなメロディも含まれている。
ブライアンらしい小品「HAD TO PHONE YA」も良いが、
マイク・ラヴ作曲による美しいバラード「Everyone’s in Love With You」が素晴らしい。
ただ明るいだけではないマイクの朴訥と歌うボーカルがせつない。